003.「テテム&タタム」のお話

テテムとタタムはともだちです。

いつもふたりでいる時はケラケラケラと笑いあっています。

なにがそんなにおもしろいの?っていうくらいに。

ふたりは小さな楽しみを見つけることが得意でした。

ちなみに今日は夜ふかしをしてワインを飲みながら、

どちらの足がくさいのかを勝負する予定です。

ふたりはいつもこんな調子で、

毎日をおもしろおかしく過ごしていました。


ただ、テテムは村の人たちを信じることが苦手でした。

僕のいないところでは、僕の悪口をいっぱい言っているんじゃないかな。

知らないうちに僕だけ仲間はずれにされてるんじゃないかな。

僕のことをだまして、僕の宝物を盗もうとしてるんじゃないかな。

いつも心の中では、心配で、心配でした。

だからテテムはどうしても村の人たちと仲良くできませんでした。

テテムは悲しい思いをしたくないのです。


タタムはというと、村の人の言うことはなんでも信じます。

あの人が言うんだからまちがいないわ。

あの人たちはほんとうに私のことを信じて信頼してくれてる。

あの人だったら私の宝物を貸してあげよう。

泥棒への用心なんて無用さ。

テテムだけでなく、村の人たちみんなが自分のことを

大切に想っていてくれていると信じていました。

と言いながらもタタムは村の人たちに嘘をつかれたり、騙されたりして、

悲しい思いをすることもありました。


そんな正反対なふたりでしたが、

ふたりでいる時はいつも幸せでした。

なぜなら楽しいことだけを考えていたらいいんだもの。

ふたりにはそれだけで十分でした。


さぁ、つぎはどんな楽しみをふたりで見つけよう。



ふたりにとって、ふたりでいる時間は、

とってもシンプルで、最高な時間だと思う。

生きているといろんなことがあるけれど、

テテムにとってのタタム、

タタムにとってのテテムが

みんなにも見つかればいいのにな。



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