010.「とっても近くてとっても遠い人のこと」
彼は気むずかしい人なのです。
いつも一緒にいるくせに私の助言はまったく聞かない。
私の話をそもそもあまり聞いていない。
忙しくて手伝って欲しい時に彼はいつもいないし、
私が友達とおしゃべりを楽しんでいると彼はそっといなくなる。
そのくせ、いなくていい時に横にいる。
そして、囁くように独り言のように話すのです。
私がこれから失敗することを、
その失敗をどうやって受け入れるべきかを
考えさせようとしてくるのです。
彼はそれをやさしさだと言うのです。
まったくのおたんこなすびなのです。
そんな彼を最近ようやくすこしだけ
愛おしく思える歳になりました。
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